オンラインジャーナル

Vol.4 No.1

短報

RJ-04005: Vol.4 No.1 pp.20-29
被ばく医療における看護研究に関する現状と課題
――福島第一原子力発電所事故前後の国内文献の検討――
吉永健嗣1・松成裕子2
1 鹿児島大学大学院保健学研究科
2 鹿児島大学医学部保健学科
キーワード:放射線看護、被ばく医療、文献検索、福島原発事故
本研究の目的は、被ばく医療における看護に関する研究の文献検討を行い、現状や課題を明らかにすることである。「被ばく医療」「看護」のキーワードを用いて、検索期間は1977年~2015年8月とし、医中誌と最新看護索引から41件の文献を収集した。さらに関連する検索ワードに広げ、収集された文献を東日本大震災による福島第一原子力発電所事故前後で区分した。結果は、事故後には、放射線教育、人材育成に関する内容が増加していた。また、原著論文は、28件であった。これらの文献から、被ばく医療の人材不足と、看護職者には、放射線に関する関心を高めるように働きかけ、一般知識の習得を図る必要があることがわかった。また、放射線看護を専門とした看護師の育成が課題であり、被ばく医療における看護研究は、放射線防護やリスクコミュニケーション、人材育成に関する教育研究などの発展が期待される。
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