オンラインジャーナル
- Vol.12 No.1
(2024) - Vol.11 No.2
(2023) - Vol.11 No.1
(2023) - Vol.10 No.2
(2022) - Vol.10 No.1
(2022) - Vol.9 No.2
(2021) - Vol.9 No.1
(2021) - Vol.8 No.2
(2020) - Vol.8 No.1
(2020) - Vol.7 No.1
(2019) - Vol.6 No.1
(2018) - Vol.5 No.1
(2017) - Vol.4 No.1
(2016) - Vol.3 No.1
(2015) - Vol.2 No.1
(2014) - Vol.1 No.1
(2013)
Vol.6 No.1
研究報告
Vol.6 No.1 pp.33-42
甲状腺がんで放射性ヨウ素131内用療法を受けた患者の同居家族の外部被ばく
1 弘前大学医学部附属病院
2 弘前大学大学院保健学研究科
2 弘前大学大学院保健学研究科
キーワード:放射性ヨウ素131内用療法、外部被ばく、不安
本研究の目的は甲状腺がんで放射性ヨウ素131内用療法を行った患者の同居家族の外部被ばくの実態と患者が抱える被ばくに関する不安の内容を明らかにすることである。甲状腺がんで放射性ヨウ素131内用療法を行った患者の同居家族6名を対象に家族の外部被ばく線量の測定および行動調査用紙への記入を依頼した。また、患者5名に半構成的面接調査を行った。結果、同居家族の8日間の総外部被ばく線量は平均16.0±2.5 (11.9~18.4) μSvであった。退院2日目から8日目の1日ごとの外部被ばく線量は有意な差があり(p=.003)、退院2日目が退院後5日目(p=.044)、7日目(p=.006)、8日目(p=.0014)より有意に高値であった。患者が抱える被ばくに関する不安では、3人の対象者が周囲の人に与える被ばくについては特にないと話していたが、治療による自分の他の臓器への影響を心配する者や同居家族ではない他者が周囲の人(子ども)への被ばくを心配し、行動制限を助言された者がいた。患者の理解度を確認しながら、繰り返し説明していく必要があることが示唆された。