オンラインジャーナル

Vol.8 No.1

原著論文

Vol.8 No.1 pp.11-21
福島原発事故による県外避難者の重大ライフイベントが主観的ストレス度に及ぼした相加的影響
小磯京子1・木下直彦2・本間美知子3・度會裕子1・淡島正浩2・瀧口 徹2
1 千葉科学大学看護学部
2 新潟医療福祉大学大学院医療情報管理学部
3 長岡崇徳大学看護学部
キーワード:原発事故による県外避難者、主観的ストレス、客観的ストレッサー、福島第一原子力発電所事故、SRRS
背景および目的:福島第一原発事故のため県外避難生活を余儀なくされた被災者のストレス度を評価した。
方法:被災者心理関連の34指標(ST34)による無記名自記式調査を行った。主観的ストレスの震災直後と3年後をVASで定量化し、それぞれを目的とする重回帰分析を行った。説明変数はST34および因子分析で抽出した11因子とした。
結果:回答者総数は859名(回収率21.0%)、ST34のCronbachのαは信頼性の目安0.8を満たした。ST34ごとの重回帰分析では引越のみがストレス減少を示した。11因子では、震災直後の増加要因は、人間関係変化と引越、病気・ローンの各因子が有意であった。
考察:大災害時には人生における一般的なライフイベントと異なり近親者の死亡、家屋等の崩壊などの非日常事象がほぼ同時に発生する。このため重大イベントの重なりにより主観的ストレス度は相加的に増大することが確認された。
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