オンラインジャーナル

Vol.11 No.2

研究報告

Vol.11 No.2 pp.42-52
患者中心の放射線治療を目指した「放射線治療手帳」の作成
加藤 知子1・菊野 直子2・畑 清子3・三上 恵子4・有阪 光恵5・萬 篤憲2・草間 朋子6
1 東邦大学
2 国立病院機構東京医療センター
3 埼玉医科大学国際医療センター
4 量子科学技術研究開発機構
5 東京ベイ・浦安市川医療センター
6 東京医療保健大学
キーワード:放射線治療手帳、患者中心の医療、患者情報の共有
患者と医療スタッフの両者が放射線治療の概要や治療後の経過等を記録し、患者が所持して、“いつでも”、“どこでも” 患者と医療スタッフの双方向の情報共有ができる「放射線治療手帳」を作成した。44名の放射線治療患者およびその患者にかかわる医療スタッフ 43 名を対象に作成した手帳を試用し、無記名自記式質問紙調査により手帳の改善点や有用性と利便性を検討した。「放射線治療手帳」の試用により、患者は「自分が受ける放射線治療の内容を十分理解することができた」「注意深く治療部位を観察する習慣がついた」と回答し、医療スタッフは「患者の記録が役立った」「患者への説明に役立った」と回答した。患者と医療スタッフ双方から放射線治療手帳の有用性が示唆され、患者中心の放射線治療を推進することにつながることを期待している。
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