オンラインジャーナル

Vol.12 No.2

研究報告

Vol.12 No.2 pp.36-43
被ばく医療に求められる看護実践と役割の抽出
松尾 帆浪1・山口 拓允2, 3, 4・山田 裕美子5・新川 哲子6・浦田 秀子7・松成 裕子3
1 量子科学技術研究開発機構放射線医学研究所被ばく医療部
2 東京医科大学医学部看護学科
3 鹿児島大学医学部保健学科
4 公益財団法人原子力安全研究協会
5 活水女子大学看護学部看護学科
6 長崎大学原爆後障害医療研究所
7 長崎大学名誉教授
キーワード:被ばく医療、緊急被ばく医療、原子力災害医療、看護
我が国において、1999年のウラン加工工場臨界事故、2011年の東京電力(株)福島第一原子力発電所事故を契機に、これまでの被ばく医療体制が見直されるとともに、新たな原子力災害医療体制が整備された。原子力災害医療体制では看護師の配置は定められているが、原子力災害医療における看護師の役割や必要とされる具体的な能力に関して明確な記載はない。これまでに報告された文献から被ばく医療における看護実践や看護の役割に関する記載をまとめ、被ばく医療における看護に求められる役割を明らかにすることを目的とした。選定した8件の文献から182のデータを抽出し、KJ法によってカテゴリー化を行なった。【実践】は〈患者搬入前〉と〈患者搬入後〉に分け、さらに〈患者搬入前〉は《一般:受入準備》《被ばく:受入準備》、〈患者搬入後〉は《一般:キュア》《被ばく:キュア》《一般:ケア》《被ばく:ケア》《一般:体制整備》《被ばく:放射線管理》のカテゴリーに分類した。【概念】は〈指導的役割〉〈専門知識の習得〉〈調整〉〈放射線防護〉〈リスクアセスメント・リスクコミュニケーション〉のカテゴリーに分類した。
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