オンラインジャーナル

Vol.12 No.2

研究報告

Vol.12 No.2 pp.44-53
ピンホールカメラによる単純X線撮影・CT検査・IVR時の散乱X線発生源の可視化
小山内 暢1・田村 梨菜2, *・田中 智妃蕗2, **・三上 葉月2, ***・野呂 朝夢祐3, ****・工藤 幸清1・細川 翔太1・對馬 惠1・山口 一郎4・細田 正洋1・齋藤 陽子1
1 弘前大学大学院保健学研究科
2 弘前大学医学部保健学科
3 弘前大学大学院保健学研究科博士前期課程
4 国立保健医療科学院生活環境研究部
* 現所属:社会医療法人医仁会中村記念病院
** 現所属:岩手県立大船渡病院
*** 現所属:青森市民病院
**** 現所属:石巻赤十字病院
キーワード:ピンホールカメラ、散乱X線、職業被ばく、放射線教育、放射線防護
眼の水晶体の等価線量限度が引き下げられた現在、職業被ばく管理の適正化が求められている。本研究では、実測に基づく放射線可視化のアプローチのひとつとして、単純X線撮影、コンピュータ断層撮影(computed tomography:CT)検査、画像下治療(interventional radiology:IVR)を対象とし、自作の鉛製ピンホールカメラによるファントム実験にて散乱X線の発生源を特定し、散乱X線に対する防護の最適化に資する知見を収集することを目的とした。患者ファントムに加え、X線管の可動絞りカバーや寝台、CT装置のマイラリング(ガントリ開口部の窓)といった装置の構成パーツからも無視できない散乱X線が発生していることが明らかとなった。医療スタッフの立ち位置や防護板の使用方法の改善といった、より適切な防護策の検討が望まれる。今後はピンホール画像の定量化やリアルタイム化に向けて取り組みたい。
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