オンラインジャーナル

Vol.12 No.2

研究報告

Vol.13 No.1 pp.23-30
乳がん術後に放射線治療を受けている患者の スキンケアに関する実態調査
宮前 奈央1・永安 真弓1・山内 洋子2・片岡 忍3
1 兵庫医科大学看護学部
2 広島大学医系科学研究科
3 社会医療法人神鋼記念会 神鋼記念病院看護部
キーワード:乳がん、放射線治療、スキンケア、実態調査
乳がん術後に放射線治療を受けている患者のスキンケアに関する実態を明らかにすることを目的にWeb アンケート調査を実施した。調査には全国11 カ所の放射線治療施設が協力し、95 名の対象者から回答 が得られた。放射線治療開始前にスキンケアのオリエンテーションを受けた者は84 名、スキンケアを実 施している者は72 名で、32 名がスキンケアに不安を感じていた。オリエンテーションを受けた者はス キンケアを実施している割合が有意に多いものの、スキンケアに対する不安の有無に有意な差はなかっ た。スキンケアに関する気がかりは、現在生じている放射線皮膚炎の症状のみならず、放射線治療終了 後の症状とその対処方法に及ぶことが明らかとなった。本研究結果より、放射線治療を受ける乳がん術 後患者が安心してスキンケアを行うために、放射線治療中から治療終了後も継続的にサポートが受けら れる看護体制を構築する必要性が示唆された。
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