オンラインジャーナル

Vol.13 No.1

レター

Vol.13 No.1 pp.31-34
放射線診療における要配慮個人情報の倫理的な共有を目指す外来看護師の取り組み
——看護倫理の授業から——
今枝 惇子1・小西 恵美子2
1 長野県看護大学看護学研究科博士前期課程
2 鹿児島大学医学部
キーワード:看護倫理、要配慮個人情報、放射線診断、職場慣行
看護師は実践のなかで倫理的な問題に直面することが多い。しかし、多くの場合、その状況に対処する ことに困難を感じている。倫理教育は、看護師が直面する倫理的問題を熟考し適切な行動に向けて進む ことを支援する。博士前期課程の看護倫理の授業において、外来で放射線診療に従事する学生が、患者 にとってセンシティブな個人情報(放射線診断画像)が、当患者に無断で、第三者に共有されている日々 の状況に違和感を表明した。教員は、関連する倫理的・法的概念を含むテーマを検討することで当人の 問題意識を掘り下げることを提案した。学生はこれらテーマの検討から、当該の状況は倫理的・法的に 正当化されないと結論し、患者を守る行動に自信をもってつなげていった。
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